二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜 ( No.45 )
- 日時: 2012/04/30 12:25
- 名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: WPbx8B95)
11話 開花させる
「んっ……」
少しずつ、重い瞼を開く。意識がふるふるを浮上してくる。
目を開けてみると、あの森ではなかった。
京介はその場から体を起こす。
知らない世界。あたりを見回してみると、剣・斧・鎌・槍などが
一面にあった。どういうことなのだろうか。
何を思ったか京介は魅かれる様に立ち上がり、そこにあった槍を
手に取る。
「………」
槍に触れてみる。冷たかった。
その瞬間・いきなり頭に頭痛が奔る。
「うっ……」
京介は痛みに体を震わせた。
『どうして我を使わない。餓鬼』
頭に声が響き、京介の目の前に知らない男が現れた。
黒い髪。鋭い眼光。手に持っているのは…槍。
「誰だ…貴様」
『わからないのか。だったら思い出させるまでだッ!!』
いきなり槍を使って斬りかかってきた。
「なっ…」
京介はとっさに持っていた槍で攻撃をふさぐ。
お互いの槍が交差し、震える。
鋭い音が双者の耳に響く。
火花が散る。
男は何度も何度も斬り込む。京介はその攻撃を防いだり、ぎりぎりで
避ける。攻撃は一切できなかった。隙がないからだ。
「アンタは何モンだ…俺に何の用がある!」
『開花させる……それだけだ。我はそのためだけに来た」
開花させる————?
聞いたことがあるような…誰かが言っていた。
『考え事か。余裕だな』
強い斬撃が京介に降りかかってくる。
すんでのところで京介はそれを避ける。髪がはらりと落ちた。
「チッ……」
京介は槍を強く握る。体が痛い。京介の体からは鮮血が出ていた。
だが一方男は息ひとつ乱していない。無論傷も負っていない。
歴然としたチカラの差——だが京介は諦めなかった。
『面白くないな…我の主はこんなに弱かったのか…
興ざめだ』
男がその場から消える。
「なっ…」
『此処だ』
京介の後ろには男がいた。振り向くと、槍を握り締めていた。
槍を振り、京介に斬りかかる————
———————ザンッ