二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜 ( No.46 )
- 日時: 2012/05/05 15:23
- 名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: Hx.0Txsy)
12話 開花された華
—————ギンッ
鋭い音が耳に響いた。槍は京介の体を貫いてはいなかった。
京介の持っていた槍は真ん中で折れていた。
攻撃を弾き返したからだ。
だが折るほどその攻撃は強かったということだ。
『折れてしまったな…どうする?』
「折れたんなら…チカラでねじ伏せるだけだァッ!!!」
折れた槍で男に斬りかかる。だが弾き返されしまう。
それでも京介は斬りかかる。
何度も弾かれ、時には傷を負った。
『雑魚が。それでは護りたいものなど
護れぬぞ』
男は京介の隙を見て斬りかかり、真一文字に斬った。
「ぐっ…」
呻き声を上げる。鮮血が服を汚す。
男は動けない京介に蹴りを浴びせた。
京介は吹っ飛んでしまった。
背中を強く打ち、意識が飛ぶ。
『終わりか、餓鬼』
京介は動けなかった。戦いたくても戦えない。
兄さん…俺、駄目かもしんねェ…
『京介。俺は待っているぞ、大丈夫だお前は———』
「最強の剣士になれる——か…」
京介の体に増幅する力が纏わりつく。
それは京介を包み込んでしまった。
「京介はチカラを何らかの理由で閉ざしてしまった——
だがそれはある時を利用すればすぐに開花させることができる。
わかるか?京介」
頭の中で拓人の声がする。
「うるせぇ。黙ってろ」
京介はそれだけ言い、増幅するチカラを抑えた。
その力は手の中で何かの形へと変化していく———
「黒風の彼方。ランスロットッ!!!」
手にはさっき使っていたものとは違い、装飾が施された
銀色の槍であった———
「終わりだ。おっさん」
『誰が「おっさん」だ、わかっているであろう?
我は———』
フッと笑い、男—ランスロットは斬られ消えた。
京介の中に潜んでいた華が今、開花された———