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プロローグ




(まだか、？おそい)

少女は思った。
あの男が来るのはいつも遅い。
今日も、もう待ち合わせの時間はとっくに過ぎている。



もう何分少女はまっただろう？
一時間？いや、2時間か。


天気予報は外れて大雨。

(もう最悪だ)

心からそう思った。

「待たせたな」


「待たせたじゃないですよ」

(ほんと、私をなんだと思ってるんだ)


またされていて、イライラしている様子。
少女の握ったこぶしは震えている。


「行くぞ。ターゲットはあの家の持ち主だ。気づかれないよう一週間以内で頼む」


「い、一週間！？それは無理でしょう！」

いらだちもあり、声は裏返っている。


「お前ならいけるだろう。もうプロ同様だしな。一週間以内だ。
　　くれぐれも失敗しないようにしろ」


「…はい…」


(こいつ…自分でやったことないくせに…！！)


「もちろん褒美はあるわけですよね？」


「当たり前だ。考えてある」


「そうですか。…任せてください。必ず任務は果たします」




「頼むぞ、お前が便りなんだ」

















そういって去っていく男。


黒いコートを着ている。
背が高く、声は低い。




別に急いでいるわけでもなく、ゆっくり歩いているわけでもないが…
もうその後ろ姿は小さくなっていた。




そしてその少女もゆっくりと回れ右をし、前を向いて歩きだした。




















----------------------------------イッツ、ショータイム…