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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 第十一章 ほのぼのアフター⑥ 第1話③ ( No.419 )
- 日時: 2012/08/29 13:10
- 名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)
綾女千里(あやめちさと)は険しい表情で足早に廃墟と化した水族館を進んでいた。
「ししょーのバカロリコン野郎!」
悪態をつきながらカツカツと大げさに音を立てながら進む。
居候させてもらっている蒼井彰(あおいあきら)とケンカをした。
理由は千里が学校の宿題をサボったというなんてことの無い理由だ。
初めはサボった自分が悪いと反省していたのだが、彰から言われた『一人じゃ何も出来ない』という言葉にカチンときた。
千里は『一人で何でもできる。魔女だって一人で余裕なんだから』と言って飛び出してきた。
そして途中で見かけた使い魔を追ってここまでやってきたのだ。
しかし大きいことを言ったは良いが、実際のところ千里には敵を倒す手段が無い。
千里眼という相手の位置を索敵する能力は完全に補助向きであり、戦闘行為などまったく出来ない。
千里は能力によって胸元に展開した水族館の地図を見た。
(使い魔は何かを追ってるみたいで、ちーには気がついてないみたいだけど……)
折り返すなら今のうちだ。
帰ってゴメンと謝れば済む話なのだ。
だが当然プライドの高い千里に素直に謝ろうなどという気はさらさら無かった。
「あ、あれ?」
地図上で使い魔を示していたマーカーが突然方向を変えて千里に近づいてきた。
「うそっ!?見つかった!?」
正直言って、相手が使い魔でも勝てる気がしなかった。
とりあえず逃げなければ。
千里は使い魔とは反対の方向を向いて早足で歩き出した。
敵は千里の存在に気がついたといえ、居場所まではわかっていないはずだ。
ならば走って逃げるよりも慎重に進んで逃げたほうがいい。
千里は地図を見ながら出口を目指して曲がり角を曲がった。
その瞬間、千里に感じたこと無い衝撃が走ったのだった。
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