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Re: 第十一章 ほのぼのアフター⑥ 第3話④ ( No.430 )
日時: 2012/08/30 13:48
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

「あとは良い臭いのするやつとか、大き過ぎず小さ過ぎずのやつとか。重みがあるほうが良いかな」

そう言って売られている物から2、3個選ぶとゆまに渡した。

「ちーちゃん、詳しいんだね。すごいよ!」

「んーまー……家事とかしてるから」

「ゆまはまだまだ下手っぴだから、ちーちゃんが羨ましいな」

「わ、わかったから買い物続けなよ」

「あ、そうだね」

ゆまは今度は野菜売り場に行ってにらめっこを始めた。

千里はそんなゆまを見つめながら、火照った頬を冷やすように手を当てた。

(凄いとか、羨ましいとか、はずかしいって……。でも———)

こうやって親以外に褒めてもらったのは何時振りだろうか。

『ちー』と呼ばれることも久方ぶりだ。

ゆまは素直でとても良い子なのだろう。

ゆまと一緒に居て悪い気持ちにならないのは、その素直さ故なのかもしれない。

(ちーとは大違いだなぁ)

素直になれないせいで次々と人が離れていった。

きっとゆまも離れていってしまうのだろう。

友達のように、母親のように。

(信じたら痛い目みる……。夢や幻を追うのはもう御免だよ)