二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十一章 ほのぼのアフター⑥ 第3話⑥ ( No.432 )
日時: 2012/08/30 13:49
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

「ま、300円ってとこね」

「え?」

千里はUFOキャッチャーの前に立つと、左右から覗いてヌイグルミを見た。

「ち、ちーちゃん!いいよ!」

しかしゆまの制止を無視し、300円を投入した。

そして予告どおり、300円目でヌイグルミを景品取り出し口に落として見せた。

「はい!野暮なこと聞いちゃった詫びよ!」

千里はそっぽを向きながら、ゆまに押し付けるようにしてヌイグルミを渡した。

「そんな、気にしなくてよかったのに」

「いいから!そういうのは素直に受け取っておくもんよ」

「ありがとう」

ゆまはヌイグルミを受け取ると笑顔を向けた。

「大事にするね」

「いいわよ……別にそんな大そうなもんじゃないし」

「うんん、だって友達から貰った物だもん。絶対に大事にするよ!」

「友達って……」

千里は視線をゆまに戻した。

ゆまの表情は一片の曇りも無く、『友達』という言葉に嘘偽りが無いことを表していた。

「ま、まぁいいわ。さっさと行こう」

「あ、待ってよ」

隣に並んで満面の笑みを浮かべるゆまが千里には変人に見えた。

(一日そこいらで友達って……。どうかしてる。けど……なんで嬉しいのかな)

心にモヤをかけたまま、千里はゆまの家へと向かった。