二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十一章 ほのぼのアフター⑥ 第4話③ ( No.437 )
日時: 2012/08/31 11:18
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

「ど、どーすんのよ?」

「……」

慌てる千里に対し、どういうわけかゆまは冷静な表情だった。

「ねぇってば!」

「ちーちゃん……」

ゆまはこんな状況だというのに笑顔で千里のほうを振り向いた。

「ちーちゃん、逃げてっ」

「え?」

ゆまはそれだけ言って使い魔の大群に一人で走っていった。

「あ、アンタ!!何やってんのよ!」

無視しているのか、聞こえていないのか、ゆまは振り向くことなく使い魔たちにのまれていった。

使い魔たちは向かってきたゆまに夢中で、もはや千里のことなど見ていなかった。

「逃げてって……。アンタはどうするのよ……」

ゆまは千里を逃がすために囮になったのだ。

そんなことは見ればわかる。

千里が理解できないのは、囮になろうとなぜ思えたのかだった。

「1日一緒にいただけじゃない……。何やってんのよ」

使い魔たちが突然バラバラに散っていき、中央にはボロボロになったゆまが倒れていた。

クルクルと回っていた魔女は動きを止め、魔女の身体から伸びてきた髪の毛のようなものを伸ばしてゆまの身体に巻きつかせた。

そのまま宙へと吊り上げられ、ちょうど魔女の胸の辺りで止まった。