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Re: 第十一章 ほのぼのアフター⑥ 第4話⑤ ( No.439 )
日時: 2012/08/31 11:20
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

ゆまは霞む視界の中で落下していく感覚を肌に感じていた。

(ゆま、死んじゃったのかな?)

しかしその割には痛みは鮮明に伝わってきているし、身体にかかった熱いものの感触はとても死者が感じられるものとは思えなかった。

「え!?」

だがゆまはすぐに自分にかかった熱いものが血であることを認識し、現実に戻った。

「あうっ!」

ゆまは地面に叩きつけられた。

そしてすぐ近くに千里も落下した。

「あ、ああ……」

ゆまの先で倒れている千里には右足が無かった。

綺麗に切断された足からは鮮血が流れ出し、その血がゆまにかかったのだと容易に想像できた。

「ち、ちーちゃんっ」

すぐに千里のものに行き、触れることが出来れば一瞬で怪我を治すことができる。

しかし今のゆまに出来たのは手を伸ばすことだけで、近づくだけの力は残されていなかった。

「ちーちゃん……なんで?」

「な、情けない顔……してんじゃないわよ」

千里は力なく笑ってゆまに言った。

「でもいくら魔法少女でもこのままじゃ死んじゃうんじゃないの……これ。なんて、ね」

ゆまは千里だけでも助かって欲しいと思った。

だからそのために自分が犠牲になっても構わないとさえ思った。

だが千里はゆまを助けるために飛び出してきた。

死ぬかもしれないとわかっていながらも。

「ちーちゃん、何で逃げてくれなかったの?」

ゆまがそう聞くと、千里は血の気の引いた顔を精一杯繕って怒っているような表情を作った。

「何言ってんのよ……だって、だって———」