二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十一章 ほのぼのアフター⑥ 第4話⑥ ( No.440 )
日時: 2012/08/31 11:21
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

「だってアンタは……」

ゆまを助けるために飛び出したとき、なぜ自分はこんなことをしているのだろうと疑問に思った。

自分がいった所で何になるというのか。

ただ死人を増やすだけではないか。

そう頭でわかっていながらも千里は飛び出していた。

目の前で殺されそうになっているゆまを見ていると、居ても立ってもいられなかった。

なんで、どうして。

いやわかっている。

わからない、わからないと思っていた時から、心の奥底ではわかっていた。

片足を失おうとも、今目の前でゆまが無事でいるのを見ていると良かったと素直に思える。

そう、これが———。

「アンタは、ゆまはちーの友達だから!友達を見捨てるなんて出来ないよ!」

友達。

ずっとずっと望んでいた。

自分を友達と言ってくれる、本当の友達を。

ゆまは少し驚いたような顔をした。

だがすぐに、

「やっと名前で呼んでくれた……。何だか嬉しいな」

そう笑顔で言った。

「こんなときに何言ってんのよ……あはは」

こうやって笑顔を向けてくれるゆまが千里は好きだったのだ。

もしここで死んでしまっても、悔いは……ない。

(あぁ……でも———)

出来ればゆまの伸ばしているその手に触れたかった。

やっと素直になれたのに、友達に触れられなくなるのだけは心残りだった。