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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第1話② ( No.444 )
日時: 2012/11/06 10:24
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■相対する者②

「あの……」

「キミはなぜ魔法少女にならない?」

「!!」

魔法少女という思わぬ言葉が少年の口から出たことにまどかは驚きが隠せなかった。

「なぜ魔法少女のことを!?」

少年は数秒ほどまどかを見つめてから答えた。

「何も不思議なことではないよ。その事実がある限り知りうるものはいくらでも居る」

「そうかもしれないけど……」

答えになっていないと内心で思いながらも、あまり不快感は感じなかった。

見た目も話し方も性格も何一つ似ているところなど無いのに、どういうわけか自分と似ていると思っていた。

そして同時に相まみれることは決して無いのだろうとも思った。

それは同じ位置にいながら常に反発しあう磁石のような、コインの表裏のようなそんな感じに近しい。

「それでどうなんだ?」

「え?」

何のことかと思い、そして先ほど問われたことの答えについて訊ねているのだと気付いた。

「ずっと皆みたいに役に立てる力があれば良いなって思ってた。でも力だけが全てじゃないんだって気付いて、今のままでも出来ることがきっとあるはずだから、それで頑張れれば良いなって思うの。だから今は魔法少女になろうとは思っていないよ」

「それは一昔前のキミの考えだろ?今は違う。そうだろ?」

「!!」

本当に心を見透かされているかのようだった。

確かに今言った事は半分本当で半分嘘だった。

このところ起きている事件はすべてまどかを狙ったものだった。

それによって傷ついたものも少なくは無い。

このまま護られてばかりでいいのだろうか。

今こそ自分も魔法少女となって皆と戦うべきではないのだろうか。

そう考えていた。