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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第1話⑥ ( No.448 )
日時: 2012/11/06 10:28
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■相対する者⑥

「何をしに?」

「安心しろ。別に大したことなどしていないさ。むしろ危ないところを救ったことに感謝してもらいたいな」

「自分のため、でしょ?」

「もちろん」

少年はククと意地悪な笑顔を向けた。

「もはやどうしようも出来やしないよ。来るところまで来ている。今度こそ私の勝ちだ」

「……」

「夢や希望や思い出に一瞬でも心を奪われたキミの負けさ。包み込むのは希望じゃあない。絶望だ」

少女は立ち上がるとフッと消えた。

そして一瞬で少年の前に現れた。

少年と少女は格子を挟んで対峙した。

少女はどこか悲しそうな表情。

少年は勝ち誇った笑顔。

「あなたには希望も夢もないんだね」

少女がそういうと少年は一瞬愕然とした表情を浮かべ、すぐに怒りの表情へと変えた。

「私は好きで『絶望』に、『無慈悲』に生まれたわけではない。キミが魔法少女たちの希望として生まれたせいだ」

少年は踵を返した。

「終わりが始まる。今度こそ、キミの大切なものが失われる。九条更紗は今までの人間とは違うからな」

それだけ言い残して少年は消えた。

残された少女は少年の消えたほうにただひたすら哀れみを向けていた。