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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第2話 ( No.449 )
日時: 2012/11/07 13:52
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■始まりの消失①

「ふぅ……」

美国織莉子は便箋を封筒に入れると一息ついた。

あとはこれを出すだけ。

そうすれば鷺宮千鶴から継いだ遺志が遂げられるはずだ。

「おりこー、用事ってなんだい?」

「ああ、キリカ。大したことじゃないんだけど、おつかいを頼まれてくれないかしら?」

「そんなこと朝飯前だよ。織莉子の頼みを断るわけないじゃないかっ」

「ふふ、そうね。じゃあこれを出して貰えるかしら?」

織莉子は封筒を呉キリカに渡すと、中を開けては駄目よ、と付け加えた。

「わかってるって。じゃあすぐ行ってくるよ!」

「お願いね。晩御飯を作って待ってるわ」

「おっけー!」

キリカはドタバタと慌しく家を出て行った。

「さて……」

織莉子は魔法少女に変身し、後ろを振り向いた。

「気配を消すのが上手いのね。いつからいたの?」

人が隠れることなど出来ないはずの狭い部屋の中、端のほうにその少年はニヤリと笑って立っていた。

「ずっとさ。キミが手紙を封筒に入れたときくらいかな?」

「誰だか知らないけど、良い趣味とは思えないわね」

少年はフフと笑って織莉子の横を通り過ぎて部屋の入り口の前に立った。