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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第2話 ( No.450 )
日時: 2012/11/07 13:53
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■始まりの消失②

「キミこそ、知らないふりなんて良くないだろ?」

「何のこと?」

「視ていたんだろ?ワルプルギスの夜のこと」

織莉子は表情は変えなかったが、内心は心臓が飛び出る思いだった。

この少年こそ千鶴が言っていた『無慈悲なる悪魔』なのだ。

(こいつは気付いているの?千鶴さんが言っていた計画のことを)

どちらかわからないが、気付かれていないことを祈りつつ、あくまで織莉子は知らないふりを通さなくてはならない。

「冷や汗が出ているぞ?やはり知っていたか」

「ええ……。視た未来と記憶が違っていたわ」

少年は首を振って諦めたようにため息をついた。

「つくづく救えない能力だな。知る必要の無いことを知ってしまうとは……」

「知られるとまずいことなのかしら?」

「……知る必要の無いことだ」

少年の背後にもう一人、何者かの姿が見えた。

その者は腰に刀を携えており、その刀に手をかけていた。

「っ!」

織莉子はとっさに魔法で作り出した球体を出現させた。

と、そのタイミングと同時にカチンとあまり聞きなれない音がした。

「———!!?」

突然、織莉子の身体から力が抜けた。

出現させたはずの球体はすべて砕かれていた。

(な、に?)

織莉子は倒れる最中、天井まで飛び散っている血を見てようやく斬られたのだと認識した。

さっきの音は刀を鞘に納める音だったのだ。

(覚悟は出来ていた。視えていたから……。でも、きっとキリカが悲しむわね)

言葉も出ず、指を動かすことすら出来ない。

ソウルジェムを破壊されてしまい、肉体と魂の繋がりが消えてきているのだ。

(キリカ、せめてあなただけでもこの作られた運命から逃れられば、私は幸せよ———)