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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第3話 ( No.455 )
日時: 2012/11/08 10:46
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■捜し求める者①

蒼井彰は学校での授業を終え、一人で家路に向かっていた。

ここ最近はなるべく一人で行動していた。

(今日は反応なし———か)

手の中に納めたソウルジェムが魔女の反応を感じ取っていないことを確認し、懐にしまった。

このところは魔女の出現が多い。

彰や杏子たちだけでは対処しきれなくなるのも時間の問題かもしれない。

それゆえに今は戦えない者と共にいるのは危険だろうと判断して一人行動していた。

今日はもう帰ろう———そう彰が思った時、突き刺さるよう視線に彰は足を止めた。

(視線?そんなもんじゃない……これは———)

殺気。

死んでも構うものかというほど、彰に対して遠慮の無い殺意のこもった攻撃反応だ。

彰は変身して大剣を身を捩りながら後ろ目掛けて振るった。

しかしその攻撃は空振りした。

いやむしろ読まれて避けられたというほうが正しい。

(速い!やはり相手は……魔法少女か!)

風の流れが一瞬変わった。

彰はその方向から相手が向かってきていると推測し、大剣でガードした。

「ぐっ!」

大剣越しに強い衝撃が走った。

相手の武器と大剣がぶつかり合い、甲高い音を立てた。

彰は大剣を前に押し出し、そのまま相手を吹き飛ばした。

「う、うわっ」

相手は吹き飛ばされ、壁に背をぶつけた。

「き、君はっ!?」

彰は相手の姿に見覚えがあった。

(確か呉キリカ……。織莉子ちゃんと一緒にいた子……)

キリカは再び彰の視界から消えた。

「!!」

彰は気配を追うが一向にキリカの姿が捉えられなかった。

「なら!」

彰は『無かったことにする』能力を範囲展開した。

範囲展開した場合、魔力の消費が激しいため、継続できる時間は1分ほどだ。

(それで充分!)

範囲内にキリカが入り込んだ瞬間、キリカの姿が彰の視界内に入った。