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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第3話 ( No.458 )
日時: 2012/11/08 10:49
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■捜し求める者④

「杏子ちゃんが、千里ちゃんが追うことが出来ない状態にいる……」

「!!?」

まどかの言葉でようやく気がついたさやかは思わず絶句した。

「ちーの魔法は、ある条件の時だけ追うことが出来ないの。一つは魔女結界の中にいるとき。もう一つは———」

千里はチラッとゆまを見た。

不安げな表情を浮かべ、瞳には涙が浮かんでいた。

千里はそんなゆまに申し訳なさそうにトーンを落として続きを口にした。

「対象がすでにこの世に居ない時……」

「なっ!?」

さやかは千里に掴みかけるような勢いで迫った。

「そ、そんなこと杏子に限ってあるわけないでしょ!?」

「し、知らないわよ!ちーたちだってそれがわからないから、アンタたちのところに来たんだから!」

「っ!!」

さやかは千里から離れて唇を噛み締めた。

「さやかちゃん……」

「大丈夫。ちょっと熱くなりすぎたわ」

さやかはそう言って、まどかに力なく笑って見せた。

「ちーたちだけじゃ探せないから、手伝って欲しいのよ」

「さやか、まどか、お願い……」

ゆまはとにかく、プライドの高い千里が人を頼りにしなくてはどうしようもないと判断したのだ。

本当にお手上げ———そういう状態なのだ。

「わかった。もちろん手伝うわ」

「そうだね。一人でも多くいたほうが早く見つけられるよ」

さやかはゆまの頭を撫でてやると、笑顔を向けていった。

「見つけたら、何やってるんだって喝をいれてやらないとね!」

「うんっ」

涙を浮かべながらも、笑顔を浮かべるゆまに、まどかと千里は安堵したのだった。