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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第3話 ( No.459 )
日時: 2012/11/08 10:50
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■捜し求める者⑤

「こっちも心当たりを当たってみるんで。そっちもよろしくお願いします」

さやかは携帯の通話ボタンを押し、通話を切るとまどかに向き直った。

「マミさんも手伝ってくれるって?」

「うん、探してみるって」

「よかった……人手は多いほうがいいもんね」

ゆまと千里の二人は再び捜索を開始しており、この場には既に居ない。

まどかたちはさやかの案で借りられるだけ人の手を借りようと、知り合いに連絡をとっていた。

「蒼井先輩にも手伝って欲しかったんだけどなぁ」

「彰さんも何かと忙しいんだよ」

まどかから彰に連絡を取ってみたのだが、繋がらなかった。

「まさか蒼井先輩も神隠しにあってたりして……」

「もー、さやかちゃんってば……。縁起の悪いこと言わないでよー」

「ごめん、ごめん。あっ!」

携帯の着信音が鳴り響いた。

「私のだ」

まどかは携帯電話を取り出し、画面を見た。

「蒼井先輩?」

「うんん。ほむらちゃんだ。もしもし?」

まどかは1分ほどほむらと会話をすると通話を終了した。

「ほむらちゃんも手伝ってくれるって。私、ほむらちゃんを迎えに行くね」

「わかった。私はちょっと心当たりがあるからそっちに行ってみるよ」

さやかは魔法少女に変身し、駆け出そうと体勢を低くした。

「さやかちゃん!」

「ん?」

「また明日、学校で会おうね」

「当たり前じゃない。まどかってば変なこと言ってー」

「えへへ。なんとなく———」

まどかは去っていくさやかを見送った。

まどかはその後表情に影を落とし、携帯電話を握る手にギュっと力をこめた。

(不安だなんて言えないよ……)

『なんとなく不安になったの』と言いかけ、思ってしまった自分に、より不安を感じてしまった。