二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第5話 ( No.463 )
日時: 2012/11/09 09:44
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■歌声の魔女①

さやかは一人である公園に来ていた。

公園に着くと、さやかは真っ先にジャングルジムに向かった。

そしてその頂上を見上げ、

「リン!!」

と、天音リンの名を呼んだ。

「どうした?お前から来るなんて珍しいじゃんか?」

リンはジャングルジムから飛び降りると、主人を見つけた犬のように嬉しそうにさやかに近づいた。

「寂しくなったか?だったら一緒に寝てやるぞ?」

「ごめん……。真面目な話なんだ」

冗談を言うリンに対し、さやかは深刻そうな表情でそう言った。

その様子を見たリンは、表情を厳しいものに変えた。

「何があった?」

「うん……実はね———」

さやかは自分が知りうる限りの情報で杏子が居なくなったことを伝えた。

それを聞いたリンは数回頷いて見せた。

「何か知らない?」

「うーん……。もし俺の予想が当たっているとしたら最悪の状況だな」

「どういうこと!?」

「その犯人が九条更紗の可能性がある」

先ほど意味深なことを言って消えた九条更紗と今のさやかの話でリンはそう思った。

『面白いおもちゃ』というのは恐らく杏子のことだったのだ。

「誰なの?そいつ……」

「更紗は一応はクロードやオレのと同じ目的を持つ者として集まった人のうちの一人なんだ。まぁ仲間とはこれっぽちも思ってないし、思いたくもないけどな」

リンは渋い顔をして名前も口にしたくないと付け足した。