二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第5話 ( No.468 )
日時: 2012/11/09 09:49
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■歌声の魔女⑥

リンが意識を取り戻すと、いつの間にか魔女は居なくなってた。

そして魔女が居た場所にはさやかが一人立っていた。

「どうなってんだ?さやか?」

「ん……。気がついた?」

魔女を倒したのはさやかだということは状況からわかった。

しかし魔女を無事倒した者のする表情ではなかった。

「何があった?」

さやかはため息をついて、数度首を横に振った。

「今現れた魔女、白井さんだった」

「え?」

白井というのが白井雪良のことを指していることはすぐにわかった。

だが文化祭の時に見た雪良のソウルジェムの状態や本人の様子から魔女になるような要因は感じ取れなかった。

故になぜ魔女化したのか理解出来なかった。

ただかつて一緒に戦った仲間をその手で倒す———その行為によってさやかが暗い顔をしていることだけは理解できた。

「その……悪いな、何も出来なくて」

「いいのよ、気にしなくてさ。ん?」

さやかは足元に落ちていた何かに気付き、それを拾い上げた。

「人形?」

ボロボロな人形だった。

どこか雪良に似ている。

「なんだかこんな時にこんな物見ると、気分悪くなるわね……。そう思わない?どこの誰だか知らないけど」

拾った人形をリンに見せながら苦笑いを浮かべてさやかは言った。

対してリンは険しい顔でその人形を見つめていた。