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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第5話 ( No.469 )
- 日時: 2012/11/09 09:50
- 名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)
■歌声の魔女⑦
「どうしたの?」
「奴だ……」
「え?」
「九条更紗だよ。奴の仕業だ」
「ど、う、いうこと?」
リンは舌打ちして地面の砂を蹴り上げた。
「あの野郎!白井雪良がさやかの知り合いと知っててぶつけてきやがったな!」
「だ、だからどういうことなのよ!?」
「アイツの魔法はな!魔法少女の魂を人形に封じ込めて、人形の中で苦痛を与えて魔女化させるものなんだ!」
「そ、そんな……」
さやかはボロボロになった人形を見つめた。
この人形こそが雪良だったのだ。
「魔女化まで到達した人形は更紗の好きなときに野に解き放てる。今みたいにな……。あいつは人為的に魔女を作り出して楽しんでやがんのさ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!そ、それじゃあ杏子は———」
「……急がなくちゃ取り返しのつかないことになる。個人差はあるだろうが、魔女化まではそんなに時間は無い」
「そんな……杏子が魔女に……?」
「しっかりしろ!更紗を捕まえて人形から解き放つことが出来ればまだ間に合う。オレも手伝ってやるから、お前も諦めるな!」
「うん……そうだよね。まだ決まったわけじゃないっ」
リンはさやかの落ち着いた様子を見て安堵のため息を漏らした。
だがリンは内心、最悪の事態も覚悟しなくてはいけないと思った。
(そのときはオレが手を汚す……。さやか、お前のことは穢させたりしない)
顔には出さず、心の中でリンはそう決意した。
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