二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第6話 ( No.473 )
日時: 2012/11/12 10:24
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■もう何も恐くない④

その時、マミの頭の中は真っ白だった。

交通事故に遭い、自らの命をつなぐ為に魔法少女になることを余儀なくされた。

キュゥべぇから魔法少女のことや魔女のことを話では聞いたが、聞くのと『体験』するのではまるで違う。

マニュアルどおりにはいかないとはよく言ったものだ。

マミにとって今がまさにその瞬間で、下手をすれば最後の瞬間にも成りえた。

ゆっくりとマミに向かってくるその魔女は美術館などに展示されている人型をした彫刻に似ていた。

ただその大きさがビル5階分くらいあり、鑑賞するには首が疲れそうになる。

「た、戦わなくちゃっ」

マミは手に持ったマスケット銃をギュッと握り締めた。

だがそれを構えて魔女に撃つという行為まで身体が動いてくれなかった。

怖い、恐い。

こんな化け物相手に勇気を出せというほうがおかしい。

普通なら逃げ出すだろう。

しかし魔女結界に入り込んでしまった以上、そう簡単には逃げ出せなかった。

このまま踏まれて死んでしまう。

せっかく助かったというのに。

そうマミが諦めかけたときだった。

マミの諦めの気持ちとは正反対のやる気に満ちた雄たけびが聞こえたのは。

「でぇいやぁぁ!!」

突然飛び出してきた魔法少女と思わしき少女は振り上げた拳を思いっきり魔女の足に当てた。

魔女は身体を斜めに傾けながら吹き飛んでいった。