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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第6話 ( No.475 )
日時: 2012/11/16 10:07
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■もう何も恐くない⑥

マミは彫像の魔女の結界から脱出後、麗夏にお礼を言った後、自己紹介をした。

「巴マミ……か。可愛い名前だねぇ」

麗夏はそう言って、服が汚れるのもお構いなしに地面に座った。

「マミは何で魔法少女に?」

「私は……」

マミは自身が交通事故に遭い、生きるために魔法少女にならざるを得なかったことを話した。

「そっか、アタシより年下なのに大変だね」

麗夏は遠くを見つめながらそう言うと、「ちなみに18歳の女子高生だよ」と付け足した。

「夜科さんはどうして魔法少女になったんですか?」

「アタシはね、正義のヒーローになりたかったんだよね」

「せ、正義のヒーロー?」

女の子の口から出るにしては少々不自然な言葉に、マミは目をパチクリさせた。

「影ながら怪獣と戦って街を守るヒーローみたいなのに憧れてたんだ。だってカッコいいでしょ?」

「そうかも知れないですけど……だからって危ないし、怖くないんですか?」

マミはさっき見た魔女の姿を思いだして身震いした。

「怖くないかって言ったらそりゃ嘘になるね。でもさ、あんなのが皆の知らないところで暴れてるんだよ?誰かがやらなくちゃ、街の皆が危ない目に遭う。そう思ったら怖いなんて言ってられないって」

マミは麗夏のことを素直に凄いと思った。

誰かのために命をかけて戦える。

恐怖心を乗り越えてそれが出来る者はそういるものではない。

マミは麗夏のように強くなりたいと思った。

魔法少女になってしまったこと自体は不可抗力だったかもしれない。

だがこうして命を繋ぎとめ、さらに魔女と戦う力を得たのだからそれを何かの為に使いたい。

麗夏のように街を守る正義のヒーローになりたい。