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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第6話 ( No.476 )
日時: 2012/11/12 10:26
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■もう何も恐くない⑦

「わ、私も……夜科さんのようになりたいですっ」

マミがそう言うと、麗夏は「ふふ」と笑った。

「やめときなよ、アタシみたいになりたいだなんて」

麗夏の否定にマミはうな垂れた。

確かにさっきみたいにただ怯えて何も出来ないのでは麗夏のようになるなんて到底出来ない。

「落ち込むなって。別にマミが弱いから無理だって言ってるわけじゃないよ」

「え?」

「怖いって思うことが悪いことじゃないんだよ。そう思うのは当たり前だし、それを克服して無理に戦えって言うほうが無茶苦茶さ」
「でも夜科さんのように戦うには怖がってばかりじゃ……」

麗夏は首を振った。

「だからアタシみたいになる必要はないんだ。マミはマミになればいいじゃん。アタシのようになりたいって無理するより、マミはマミらしく戦えばそれでいいんだよ」

「私らしく、ですか?」

麗夏は立ち上がると、服についた砂をはらった。

「そうさ。アタシはマミがマミらしくなるための手伝いならいくらでもするよ」

そう言ってニヤっと笑った。

自分らしくとはどういうものなのか、考えてそうわかることではない。

だがわからなくても、麗夏のように後押ししてくれる人がいるだけでとりえあえず前に進める気がした。

「私、強くなります。この街を守れるくらいに」

「へへ、その意気、その意気!」

麗夏はマミの背中を軽くたたいた。

マミには背中を押してくれる麗夏の姿がとても大きく輝かしく見えた。