二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第6話 ( No.479 )
日時: 2012/11/12 10:30
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■もう何も恐くない⑩

「マミ……アンタは逃げな———」

「そ、そんな!置いていけないです!」

麗夏の右腕は千切れてしまい、飛び出た血で服をどす黒く染めていた。

止血自体は魔法でどうにかしたが、自らの身体を武器として戦う麗夏にとって腕を奪われたことは致命的だった。

姿の見えない魔女。

聞こえるのは鈴の音だけ。

どこから攻撃してくるのか、どのように攻撃しているのか、まったくわからないのだ。

「アタシと一緒にいたらマミもやられる。アタシはどうせロクに戦えないんだ……。だからアンタだけ逃げるんだよ」

「まだ負けたわけじゃ———!」

「マミ!!」

「!!」

マミは麗夏の怒声に表情を強張らせた。

「無駄死にはしちゃ駄目だ。アタシもマミも居なくなったら、誰がこの街を守るんだい?」

「でも……私一人じゃ———」

泣き言を言うマミに麗夏は「ふふ」と笑った。