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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第6話 ( No.480 )
日時: 2012/11/12 10:30
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■もう何も恐くない⑪

「未熟者だな、マミは。自分の力量も測れないのかい?」

「え?」

「アンタは一人でも立派にやっていけるよ。アタシなんかよりずっとね……」

「そんなこと……」

「いや、本音さ。アンタは人を引っ張る力もある。これから先、きっとアンタを頼りにしてくれる仲間が出来る……。そうなったとき、アンタがそいつらを引っ張って戦うんだよ」

麗夏は立ち上がると、マミの腕をつかんだ。

そして突然マミを引っ張りながら走り出した。

「よ、夜科さん!?」

麗夏はマミのことなどお構いなしに走った。

そして魔女結界の出入り口と思われる歪のところまでくると、麗夏はマミを歪の外に投げ飛ばした。

「夜科さん!?」

マミは宙に舞いながら、歪の向こう側にいる麗夏の名を叫んだ。

「この街を頼ん———」

麗夏の言葉が届ききる前に、歪が消えた。

おそらく魔女がこれ以上魔法少女を逃がさないために閉じたのだろう。

「夜科さん!!」

消えた歪に手を伸ばしたが、マミの手は空を切った。

「無責任なことばかり……」

マミは地面に膝をついてうなだれた。

そして声を押し殺しながら静かに泣いた。

その日以降、二度として夜科麗夏の姿を見なかった。