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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第6話 ( No.483 )
日時: 2012/11/13 11:26
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■もう何も恐くない⑭

「ずいぶん戦いなれてるね。あの頃よりずっと強いよ」

急に立ち止まったかと思うと、麗夏はそんなことを言った。

間合いは麗夏の射程圏外。

様子見のための行動———マミはそう思った。

「マミ、アンタは確かに強くなった。でも……アタシだって昔のままじゃないんだよ」

麗夏は今の間合いのまま、突然拳を振るうモーションを取った。

すると本来届かないはずのマミのわき腹の辺りに何か殴打されたような感覚が走り、マミは吹き飛ばされた。

「な……に?」

マミは咳き込みながらもすぐに体勢を立て直して立ち上がった。

「わからないかい?なら見せてあげるよ」

麗夏が前に突き出した紫の煙で構成された右腕が伸びたり縮んだり、鞭のようにうねったりと、人間ではありえない動きをして見せた。

『アンタたちの敵、『魔女』なんだよ』

麗夏の言葉が頭の中を木霊した。

そしてマミが唇を噛み締め、マスケット銃を握る手にグッと力をこめた。

(もう戻れないのね……)

麗夏と戦い、倒すことを決心したはずなのに、心の奥底ではまだ救えるのではないかと思っていた。

だが目の前で人ならざる行為をして見せた麗夏を見て、それは所詮願望でしかないのだと改めて思い知らされた。

マミは一度深呼吸をして自分を落ち着かせた。

そして麗夏に鋭い視線を向けた。

「良い眼、してるじゃない」

麗夏は決意に満ちた、魔女を倒さんとするときの『魔法少女』の眼差しを向けてくるマミに、嬉しそうにそう言った。

「今度こそ、お互い本気で……ぶつかろう!!」

二人の戦いが、今度は倒す倒されるの本気の戦いが始まった。