二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第6話 ( No.485 )
- 日時: 2012/11/13 11:29
- 名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)
■もう何も恐くない⑯
「くそっ……狙ったね、マミ!」
麗夏の煙の腕は伸縮自在の鞭のようなものだが、この攻撃のモーションには規則性があった。
まず相手に向かって伸ばし、そして鞭のように攻撃し、また元に戻す。
つまり伸ばしながら攻撃———ということが出来ないのだ。
伸ばしたり縮めたりする瞬間は隙だらけというわけだ。
「これで終わりです!」
マミは大砲のように巨大なマスケット銃を出現させた。
「!!」
麗夏もよく知る、マミのきめの一撃。
「ティロ・フィナーレ!!」
巨大な砲撃が麗夏に向かって発射された。
「甘いよ!このまま黙ってやられるわけないでしょ!!」
麗夏は煙を分散させて一時的に腕を消し去った。
そして間一髪で砲撃を避けた。
相手を捕らえられなかった砲撃は地面に着弾し、砂煙をあたり一面に撒き散らした。
完全に視界を奪われ、さすがの麗夏もマミの姿を失った。
(これも作戦のうちだろ?きっと砂煙の向こう側でアタシの頭を狙ってるんだろ?)
砂煙の中で麗夏がうろたえている内に急所を撃つ。
麗夏はマミの作戦をそう読みきり、先ほどマミの居た場所に向かって駆け出した。
「この砂煙の中で狙うのはマミも難しいだろ!!アタシが動けば狙うなんて不可能だ!!」
銃を構え、隙だらけのマミにとどめの一撃を与える。
麗夏は砂煙を飛び出し、必殺の拳を振り上げた。
「とどめだ!マミ———」
飛び出した先にマミは居なかった。
マミは少し離れた地点で両腕を横に広げて立っていた。
そのマミの背後には大量のマスケット銃が宙に浮いており、それらすべてが麗夏に向けられていた。
「この技は知らないですよね、夜科さん……」
「はは、大胆だな。オシャレ……には程遠いよ」
苦笑いを浮かべ、あきらめの表情を浮かべて麗夏が言った。
銃から放たれた弾丸の雨が、過去を洗い流すかのように麗夏に振りそそいだ。