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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第6話 ( No.486 )
日時: 2012/11/13 11:30
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■もう何も恐くない⑰

マミはボロボロになった麗夏のそばに近づくと、しゃがみ込んだ。

あれだけの銃弾を受けて未だ人の形をしているのはやはり魔女だからなのだろう。

魔女でもやはりマミにとってはかつて先輩と慕い、行動を共にした夜科麗夏だ。

「そんな悲しそうな顔するなよ。アタシは結構スッキリしてるよ」

麗夏はため息をつくと力なく笑った。

「未熟者だなんてもう呼べないね。本当に強くなったんだ……。マミの中の恐怖は消えたのかい?」

マミは頷くと微笑を浮かべた。

「たくさん仲間が出来ました。慕ってくれる後輩も。私、もう一人じゃないんです。もう何も恐くないです……」

「そっか……。それを聞いて安心したよ。こうやって亡霊になってまでした甲斐があったってもんだ」

麗夏の身体から光が漏れ始めた。

力尽きた魂が消失しようとしているのだ。

「マミ、最後に伝えておきたいことがある」

「なんですか?」

「アタシが魔女になったときのことだ」

「!!」

「アンタを逃がした後、アタシは死を覚悟した。でもそこに現れたのは見知らぬ魔法少女だった。アタシはそいつの魔法で人形に閉じ込められたんだ」

「人形?」

「人形の中では常に心を攻められる。そして耐えられなくなり、魔女化する」

「そんなっ!それじゃあ……」

まるで魔女を作るための魔法。

そんな恐ろしい魔法を持つ者が居るというのか。