二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第7話 ( No.490 )
日時: 2012/11/14 10:28
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■九条更紗③

希望にあふれる者を断ち切るのが好きだった。

あるとき、更紗はある人物と出会った。

その人は『人』と呼ぶには存在があやふやで、例えるなら悪魔に近かった。

更紗は初めて恐怖を感じ、そして同時に今までで一番の興奮を覚えた。

この人は存在自体が絶望だ。

更紗の求めている存在その物だ。

この人についていけば、きっと極上の絶望に出会える。

そう思ったとき、その人は思いがけないことを口にした。

『この世には目も眩むくらい素晴らしい希望が存在する』

絶望で出来たこの人が口にするくらいの希望。

それは一体どんなものなのだろうか。

『君は、その希望を壊してみたくはないか?』

その言葉を耳にした瞬間、干からびてしまうのではないかと思うほどの渇きを感じた。

その希望を搾り取って絶望を添えて飲み干したい。

極上の希望を極上の絶望に変えてやりたい。

絶望を纏うあのお方のため。

そして自分の渇きを潤すため。

そのために色々手を回し、捕らえた。

あの方が素晴らしいと言った希望を持つ者、鹿目まどかを。