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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第7話 ( No.491 )
日時: 2012/11/14 10:36
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■九条更紗④

目の前で手足を縛られ、身動き一つ出来ないまどかは恐怖を含んだ表情で更紗を見上げていた。

(この子が極上の希望?どう見てもただの小娘よねぇ)

あのお方の言うことが間違っているとは思わないが、一見すればただの少女。

疑ってしまうのも無理は無い。

「ねぇ、アナタ……。一体、何なの?」

「何って……」

突拍子も無い質問だ。

だが何かがあるように到底見えないこの少女にはそんな質問しか浮かばなかった。

「だってアナタ、まーるで何にも感じないんですもの。何なの?って感じだわぁ」

「私、魔法少女なわけじゃないし……。特別だって言われても実感ないし……」

「ふーん、あら、そう〜」

更紗は突然、かかとで踏みつけるようにしてまどかを蹴り飛ばした。

「あうっ!?」

まどかは苦痛に顔を歪め、咳き込んだ。

「何も無いゴミなんて必要ないじゃなーい。サンドバッグくらいにしかねぇ〜」

更紗はさらに何度もまどか蹴り、とどめと言わんばかりにつま先で腹部を蹴り上げた。

「ごほっ、ごほっ!」

まどかは涙を流しながら、痛みに耐えた。

あと一発でも受けたら気を失う。

その寸前で、更紗はあえて蹴るのをやめたのだ。

「いいわねぇ〜。そういう顔……。これくらいは役立ってくれないとねぇ」

更紗が気味の悪いの笑い声をあげて喜んでいると、それを遮るかのように携帯電話の着信音が鳴り響いた。

更紗はまどかの手荷物の中から携帯電話を取り出し、画面を見た。

「うふふ。面白くなってきたわね」

そう呟くと、更紗は通話ボタンを押したのだった。