二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第9話 ( No.499 )
日時: 2012/11/16 10:18
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■決断①

「……」

まどかは何とか力を振り絞って、首を動かして周りを伺った。

先ほどまで居た更紗はどこかに行ってしまい、今ここには居ない。

ほかに誰か居るわけでもなさそうで、どうやらここにはまどか一人しか居ないようだった。

いや、正確には一人ではない。

「くーちゃん……。大丈夫?」

まどかの目の前で転がっているボロボロのクマのぬいぐるみに向かって語りかけた。

ぬいぐるみはムクッと立ち上がり、そしてすぐに崩れ落ちるようにして腰を落とした。

悪戯の魔女、バウム・クウェーレン。

それがこのぬいぐるみの名だ。

人畜無害な魔女で、どういうわけかまどかに懐いてしまっている。

「くーちゃんが、守ってくれたんだね……」

更紗の度重なる暴行を受けながら、骨折や、感じる限りで臓器へのダメージはほとんど無かった。

それはバウム・クウェーレンが姿を隠しつつ、まどかの盾になっていてくれたからだ。

それでも普通の女子中学生でしかないまどかには耐え難い痛みだったし、今すぐに動けるほどではなかった。