二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第9話 ( No.500 )
日時: 2012/11/16 10:18
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■決断②

「こんなに小さいくーちゃんでさえ、立ち向かっていける勇気があるんだよね。私、やっぱりこのままじゃ駄目、だよね」

更紗に暴行されている最中、携帯電話の向こう側から彰とほむらの声が聞こえた。

きっと二人はまどかを探しに来るだろう。

でもそれは更紗の仕掛けた罠で、来たら二人はどのような目に会うかわからない。

その前に更紗を止めなくては———。

バウム・クウェーレンが耳を立てて、ある一方に視線を送った。

まどかはゆっくりと身体を動かし、同じ方向を見た。

「ずいぶん、ボロボロっすね」

「ゴンべぇ……」

「更紗ちゃんは容赦ねーっすから。こんな所でまどかちゃんが死んでしまったら元も子もねーっすけどね」

ゴンべぇはニッコリと笑って見せた。

キュゥべぇから、ゴンべぇは感情を持つ新しいタイプのインキュベーターだと聞いていた。

今この状況を見て言ったゴンべぇは、『ひどい』と感じたからそう言ったのだ。

(この子なら、もしかしたら……)

今のままではいけない。

戦うためにはやはり魔法少女になるしかない。

しかし今ここで魔法少女になるということは、敵の手のひらの上で躍らせれることと同じだ。

そこでまどかは一つの可能性にかけてみようと思った。

(相手の思う壺にはさせない!)

今まで悩んでいたことが、今心の中で固まった決意で一気に吹き飛んだ。

今度は皆を守るんだ。

その決意がまどかを動かした。

「ねぇ、ゴンべぇ……お願いがあるの」

まどかは決意に満ち溢れた瞳でゴンべぇにそう言ったのだった。