二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第10話 ( No.501 )
日時: 2012/11/16 10:23
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■決別①

「ふぅ……」

リンはため息をついて自分の周りに集まる魔法で作り出した黒猫を消し去った。

「どうだった?」

「駄目だな……」

リンはさやかに視線を合わせることなく、首だけ横に振って答えた。

「オレの索敵魔法にも引っかからないところを見ると、『夢無き国の家(ドールハウス)』を展開させてやがるな」

「な、なにそれ?」

「アイツの魔法の名さ……。悪趣味なね」

『夢無き国の家(ドールハウス)』は自分中心の範囲結界だ。

結界内に居るものはすべて更紗にとって人形という扱いにされる。

更紗の人形とされた者は更紗の操り人形と化すのだ。

しかし魔法少女だけは更紗の自由には出来ない。

だがそれはあくまで魔法少女たちに結界内での行動に自由権が与えられているというだけで、やはり更紗の人形なのだ。

自分の人形なら、魂を引っこ抜ぬいて、別の物に入れたって良い———そういう能力なのだ。

「アイツの結界はアイツの許可なしには入れない。もちろん魔法による干渉も不可能。まさに自分だけのドールハウスだな」

「何よそれ……。自分の勝手で人の心を入れたり抜いたりしてるわけ?そんなの人の考えることじゃない……」

リンはさやかのその言葉に鼻で笑った。