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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第11話 ( No.506 )
- 日時: 2012/11/19 14:19
- 名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)
■心の闇③
『魔女をぶっ殺すみたいにさぁ。その亡霊もぶっ殺しちゃえばいいじゃん。それとも……罪悪感とか感じちゃってるわけ?』
「!!」
もう一人の杏子は大声で笑って馬鹿馬鹿しいと首を横に振った。
『認めちゃいなよ』
「え?」
『アンタは、家族のために願ったんじゃない。認めてもらいたくて、褒められたくて、幸せになりたくて……つまり自分のために願ったんだろ?』
「ち、違う!!アタシはそんなんじゃ……」
杏子は頭を抱えてもう一人の自分の言葉を払うように否定した。
ふと背後に人の気配を感じた。
『杏子……』
「さ、さやか!!」
さやかは無表情で杏子を見下ろしていた。
「さ、さやか、アタシは……」
杏子はさやかに向かって手を差し出した。
しかしその手はさやかの手によってはたかれてしまった。
『アンタはいつも自己中で、周りのことなんかお構いなし。アンタは居るだけで人を不幸にするのよ』
「さやか、何を言って……」
『アンタなんか誰も必要にしてない。アンタなんて誰も認めてくれない』
さやかの姿が消えた。
そして周りに流れていた映像は、また最初に戻った。
杏子は泣きながら、地面に突っ伏し、頭を掻き毟った。
「うああああああ!!」
あと何回、これを繰り返すのだろう。
いっそのこと殺してくれればいいのに。
楽になれるのなら、魔女になっても———。
すべて終われるのなら———。
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