二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第14話 ( No.513 )
日時: 2012/11/22 10:23
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■心があるということ①

まどかと更紗が対峙している姿を、ゴンべぇは少し離れた一軒家の屋根の上で見ていた。

「やったね、と言うべきかな?」

「キュゥべぇ先輩……」

ゴンべぇの横にキュゥべぇがちょこんと座った。

「いくら僕がやっても駄目だったのに……。なんだか自信なくすなぁ」

「たまたまっすよ」

しばしの沈黙が流れた後、キュゥべぇはため息をついた。

「何を、したんだい?」

「何がっすか?」

「確かに鹿目まどかは魔法少女になった。契約もした。でも、明らかに想定していたエネルギー量じゃない。しかも大幅に」

「さすがっすね、先輩」

ゴンべぇは諦めたような表情を浮かべ、同時に憂いを帯びた目でキュゥべぇを見た。

「鹿目まどかに頼まれたんすよ。願いを願わずに契約させてほしいと」

「なんだって?願いの保留!?」

願いの大きさ、質が魔力の大きさとなる。

例えどんなに素晴らしい素質を持っていようとも、それに見合わない願いでは発揮できない。

本来、感情のないインキュベーターには通用しないはずの『願いの保留』。

感情を持っているが故に、同情してしまったゴンべぇはそれを受け入れてしまったのだ。