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■消失の序曲④

「なぜ、さやかちゃんの映像が！？」

彰の疑問の声は、そこにいる更紗以外の者たちすべてが思ったことだった。

「ふふ〜。なぜでし———」

更紗の言葉はけたたましい破壊音によって遮られた。

リンの背後から伸びた黒い手が近くに置いてあった廃材を砕いたのだ。

「とぼけてんじゃねーよ……。お前が仕組んだんだろうが！！」

リンと更紗以外、この状況についていけていなかった。

彰たちの目から見ても犯人が更紗であることはわかる。

だがリンの表情に浮かぶものはそれ以上の何かを知っている者がするものだった。

「どういうことだ、リン？」

彰がそう聞くと、当り散らすように黒い手が別の廃材を砕いた。

「更紗の能力は人形に閉じ込めた魔法少女の魂を魔女化させることなんだ。そして映像の中のさやかが居る場所はおそらく魔女結界……」

「だ、誰の……？」

まどかが恐る恐る聞いた。

リンは唇を噛み締めながら、答えることを躊躇った。

「佐倉杏子よぉ」

「！！！？」

更紗のあっけらかんとした答えに、彰たちは騒然とした。