二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第16話 ( No.522 )
日時: 2012/11/27 16:14
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■蒼き姫君と紅き王子のワルツ①

さやかはふらつく頭を抱えながら、ゆっくりと身を起こした。

九条更紗と対峙したところまでは覚えている。

そして更紗がカバンを魔法で出現させ、自慢げに一体の人形を取り出して見せた。

その人形がとても杏子に似ていて———。

「杏子!!」

こんな所で寝ている場合ではない。

一刻を争う事態であることをさやかは思い出した。

「あ、あれ?」

そう思い、改めて状況を確認してみると、余計に状況が掴めなくなった。

気を失う寸前まで居たところとはまるで違うところに居た。

誘拐し、連れて来たにしてはずいぶん洒落た場所だと思った。

教会。

鮮やかなステンドグラスが窓に張られており、神様に祈りを捧げるのにふさわしい雰囲気を醸しだしている。

左右対称に数列ずつ並んだ長椅子。

中央には神父が立ち、演説するための場所が設けられている。

その向こうにはお供え物でもするのか、台座があった。

小さいが立派な教会だ。