二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第16話 ( No.523 )
日時: 2012/11/27 16:15
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■蒼き姫君と紅き王子のワルツ②

(でもどこかで見たことあるような……)

教会のイメージなどどれも一緒だから、そう思うだけなのかもしれない。

さやかは中央の台座に歩を進めた。

「なんだろう、これ?」

30センチほどの棒に、紙で作った人型がくっつけられていた。

人形劇とかで使う奴だ。

それはお父さん、女の子2人の3つ置いてあった。

さやかはそれを手に取ろうと手を伸ばした。

その途端、3つの紙人形が発火した。

「な、なに!!?」

さやかは一歩後ずさり、そして辺りに起きた異変に気付いた。

教会の壁が燃えていた。

不思議なことに燃えているのは壁際だけで中央は何とも無い。

まるで四方に火のついたリングだ。

「!!」

さやかのソウルジェムが震えた。

魔女の反応を示していた。

とっさに後ろを向くと、向いた先の空間に切れ目が入っていた。

その切れ目から、巨大な槍の先端、馬の体、そして本体とゆっくりそれは現れた。

燃え盛る馬に乗る、紅蓮の騎士。

紅蓮の鎧に包まれ、その素顔は伺えないが、その代わりに頭の上についた火が感情を表すかのように揺らいでいた。

さやかは揺らぐ火を見てふと蝋燭のようだ、と感じた。