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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第16話 ( No.525 )
日時: 2012/11/28 14:27
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■蒼き姫君と紅き王子のワルツ④

「やっぱり、アンタなんだ……」

言葉が無くとも、杏子の絶望がさやかに伝わってきた。

さやかはギリっと歯軋りをした。

「杏子!!何、負けちゃってんのよ!!」

教会全体に響き渡るほどの声でさやかは叫んだ。

「いっつも人のこと弱いとか馬鹿にして……。アンタが先に負けちゃってどうすんのよ!!」

『オオオオオッ!!』

「!!?」

紅蓮の騎士はそれに答えるかのように叫んだ。

そしてさやかの叫びをかき消すかのように再び突っ込んできた。

「バカ杏子!!」

さやかは後方に飛んで間合いをとった。

紅蓮の騎士は馬を跳躍させ、巨大さを生かして一気に間合いを詰めてきた。

紅蓮の騎士が間合いを詰め、さやかの前に降り立ったとき、さやかは構えをとっていた。

「話をするには、それ邪魔でしょ!!」

さやかから放たれたすべてを切り裂く剣の連激、『スクワルタトーレ』が紅蓮の騎士が乗る馬を直撃した。

馬は足音同様に何の声も出すことなく、静かに炎となって消えた。

馬から振り落とされた紅蓮の騎士は体勢を立て直し、二本の足で立ち上がった。

「杏子、アンタには言いたいこと……いっぱいあるんだから」

さやかはそう呟くと、剣を紅蓮の騎士に向けた。

それに答えるように、紅蓮の騎士は槍をさやかに向けて構えたのだった。