二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第17話 ( No.534 )
日時: 2012/12/06 10:15
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■絶望は死を纏いて狂い踊る①

映し出されていた映像が消えてどれくらい経っただろうか。

そこに居た者すべて何も反応が出来なかった。

ただ呆然と起きたことを理解しようと、現実を受け止めようと必死になっていた。

「さ、や、かちゃん……?」

まどかがボソッとさやかの名を呟いた。

それをきっかけにざわめきが起こった。

「な、何が起きたの?」

マミが誰に言うでもなくそう言った。

「命を力に変えたんだ……」

マミの問いに答えたのはリンだった。

「ソウルジェムに宿る自分の魂を力に変えたんだ。命と引き換えに———」

「じゃ、じゃあ!さやかちゃんは!?」

まどかはリンに詰め寄って自分でも既に理解している答えを待った。

リンは表情を苦痛に歪め、唇を震わせながらゆっくり答えた。

「さ、さやかは……佐倉杏子と一緒に……死んだ」

「!!」

まどかは電池が切れたおもちゃのようにガクリと崩れ落ちた。

「いやああぁああ!!」

そしてはちきれんばかりの声で泣き叫んだ。

それを止めるもの、慰めるものは居なかった。

それほどに目の前で起きた仲間の死が衝撃だった。

「くそっ……!!また助けられなかった!!」

リンが搾り出すようにしてそう言葉に出し、悪態をつき続けた。

「九条、更紗!!」

彰がその名を口にすると、リンもゆっくりと顔を更紗に向けた。

「もう、お前を守るものはない。覚悟は———」

更紗の表情が変だ、とリンは思った。

更紗からすればこの状況は待ち望んだ結果、最高の瞬間だったはずだ。

にも関わらず、更紗の顔に浮かぶものは不満だった。