二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第17話 ( No.538 )
日時: 2012/12/11 10:23
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■絶望は死を纏いて狂い踊る⑤

まるで言葉も話せない赤ん坊が滅茶苦茶に積み木を積み重ねたような建物が当たり一面に建っていた。

それらの建物は大きな広場を丸く囲んでいた。

彰たちはその広場の中心で立ち尽くしていた。

「魔女結界か?」

彰は紫色に歪んだ空を見上げて呟いた。

恐らく街なのだろうが、それらの建物は人が住めるような物ではないし、そもそも人気が存在しない。

だが人気はなくとも不気味な、かつよく知った気配が漂っていた。

「くるぞ!!」

リンが突然、そう叫んだ。

リンの視線の先には地面の中を縫うように進む影があった。

その影は彰たちの前でその姿を現した。

「ま、魔女……!!」

ほむらが巨大なジャッカルの姿をした影を目にして動揺した。

血のように赤い眼を煌々と輝かせ、『狂犬の魔女』は彰たちを見据えた。

「あっ!」

まどかが狂犬の魔女とは反対のほうを見て声を上げた。

そこには今にも朽ちてしまいそうな木の根が地面からまるで苦しんでいるかのように這い出てきた。

生き物の姿をしていないそれ、『枯れ木の魔女』は木の根を絡みつかせて巨大な木となった。

「ま、魔女が2体!?」

彰が慌てる横でリンが引きつった笑顔を浮かべた。

「なぁ、更紗のやつは何体の人形を出した?」

「え?」

彰は記憶を探るが、正確な数は導き出せなかった。

だが少なくとも10体近くはあったはずだ。

「それがどういう……」

「言っただろ?アイツは魔法少女の心を人形にいれて魔女化させるって」

リンのその言葉から、意味を悟った彰たちは絶句した。