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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第17話 ( No.539 )
日時: 2012/12/11 10:24
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■絶望は死を纏いて狂い踊る⑥

「じゃ、じゃあ……まだたくさんの魔女がこ、ここに?」

声を震わせながらまどかがリンを見た。

「そういうこと……」

「そ、そんな!!」

どんな魔法少女であっても同時に10体近くの魔女を相手にしたことはないだろう。

故に想像できないその状況、絶望がまどかを恐怖に陥れた。

もう駄目かもしれない———そう思った。

「駄目だなんて、まどかちゃんらしくないよ」

ふと彰がそう言った。

ポカンとするまどかの顔を見て、彰がクスリと笑った。

「顔に出てた。誰よりも諦めずに希望を信じていたまどかちゃんが、こんな所で諦めちゃ駄目だよ」

「で、でも……」

「大丈夫。これ以上、誰も、何も失わせたりしない」

「彰さん……」

まどかはそう言って笑顔を浮かべる彰を、そしてリンとほむらを見た。

「そうね、こんな所で死ぬなんてごめんだわ」

「だな。それに更紗のやつをぶちのめすっていう目的があるしな」

二人とも諦めるどころか、この状況をきりぬけるつもりでいた。

それを見てまどかは弱気な自分が情けなくなった。

(皆を守りたくて、皆と一緒に居たくて、私は魔法少女になったんだ。さやかちゃんや杏子ちゃんのことはすごく辛いけど……今は救える仲間のために戦わなくちゃ!)

そう思うと、自然と身体に力が沸いてきた。

「どうやら吹っ切れたみたいだな」

まどかの様子を見てリンは「よし」と区切りをいれた。

「さっさと帰ろうぜ。みんなでよ!」

リンの掛け声に皆、一斉に頷いた。