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Re: 第十二章 絶望は死を纏いて狂い踊る 第17話 ( No.550 )
日時: 2013/05/29 10:20
名前: icsbreakers (ID: WV0XJvB9)

■絶望は死を纏いて狂い踊る⑰

ワルプルギスの夜の周囲に四つ魔方陣が飛び回っていた。

魔方陣はそれぞれに向かって光線を飛ばしあった。

そして点と点を線で結ばれ、正方形を形作った。

作られた正方形はワルプルギスの夜の下部に移動し、そこでもう一枚正方形を作り出した。

新しく作られた正方形はワルプルギスの夜の上部に移動し、上下でワルプルギスの夜を挟むような形で収まった。

上下の正方形はさらに点と点を線で結び合い、ワルプルギスの夜を内部に納めた立方体となった。

メシメシメシッ!!

何かがつぶれ、ひび割れる様な音が当たり一面に響いた。

『ゴオオォォッォ!!』

同時にワルプルギスの夜が悲鳴のような声をあげた。

立方体の中では超圧縮が起こっており、ワルプルギスの夜はそれによって身体を潰されているのだ。

ワルプルギスの夜は立方体の中から逃れようと暴れるが、立方体には傷一つ付かない。

さらに圧縮によって身動きの自由が利かず、余計に暴れたことで逆にダメージを増加させた。

晴れた砂煙の中から再び姿を現した巨体は口と思われる部分にエネルギーを凝縮させていた。

凝縮されたエネルギーは一本のレーザー光線として放たれ、立方体ごとワルプルギスの夜を貫通した。

『虚無の咆哮』と呼ばれるこの光線は相手を殺すための攻撃ではない。

相手の身体に『穴』を開ける為の攻撃だ。

それはまるでブラックホールのように全てを吸い込む穴となり、無慈悲に相手を永遠の闇へと葬るのだ。

しかしこの攻撃は開いた穴を自分自身から切り離してしまえば逃れることが出来る。

だが現状のワルプルギスの夜のように内部で超圧縮が起きている立方体———『虚無の牢獄』の中で『虚無の咆哮』を受ければ別だ。

『虚無の牢獄』の中で出来たブラックホールに向かい圧縮は進んでいくため、仮に切り離したとしてもブラックホールに寄せられてしまう。

例えそれがどんなに強力な力を持つ魔女であっても。

ワルプルギスの夜は身体を超圧縮によってバラバラに砕かれ、ブラックホールの中へと吸い込まれ、消えていった。

あらゆる時代で猛威を振るった最強最悪の魔女は、こうして呆気なく闇の世界へと消えていったのだった。