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Re: 第十二章 絶望は死へと向かい狂い踊る 第18話 ( No.555 )
日時: 2013/06/11 11:07
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■絶望は死へと向かい狂い踊る②

「まどか!?」

「まどかちゃん!?」

崩れ落ちようとするまどかの身体を彰が受け止めた。

「どうした!?」

リンが彰たちの側に駆け寄ってきた。

「わからない、急に……」

「あ、彰!!まどかのソウルジェムが!!」

ほむらに言われ、リンと彰はまどかのソウルジェムに視線を向けた。

『!!?』

二人とも言葉を失った。

まどかのソウルジェムの中で、黒い渦のような物がまるで生きているかのように蠢いていたのだ。

「まさか……」

リンはボロボロな姿で息絶える更紗を見つめた。

「な、何かわかったのか?」

彰もリンと同じように更紗の遺体に目を向けた。

「更紗の魔法は、魂を引き抜いて別の物に入れる能力だ。もしも魂を引き抜くという行為が自分自身にも使えたとしたら———」

「まさか……アイツは自分の魂をまどかちゃんの中に!?」

「ああ。更紗はまどかの中から、まどかを乗っ取るつもりなんだ!!」

「そんな!!」

彰はまどかに視線を戻した。

まどかの表情は苦しそうだった。

まるで悪夢にうなされているかのような表情だった。

「どうしたらまどかを助けられるの!?彰の魔法なら!!」

ほむらの必死の訴えに、彰は唇を噛み締めて首を振った。

「物が対象ならともかく、魂を———しかも九条更紗の魂だけ無かったことにするなんて無理だよ。仮に出来たとしてもどんな弊害が起きるか……リスクが高すぎる」

「でもこのままじゃ、まどかが……」

「くそっ!!」

彰が悔しそうな表情で拳を思いっきり地面に叩きつけた。

リンも同様に悔しそうな顔を浮かべていた。

「更紗の野郎……最後の最後で悪あがきしやがって!!」

更紗が死んでいない以上、この空間から出ることも、囚われているマミたちも救えない。

まどかを失うことにもなり、結果的にリンたちはすべてを失って完敗となってしまう。

どうにかしなければ———そう思うも、三人はただ悔しさに胸を締め付けられるしかなかった。