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Re: 第十二章 絶望は死へと向かい狂い踊る 第18話 ( No.559 )
日時: 2013/06/25 17:31
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■絶望は死へと向かい狂い踊る④

「そんな、明奈ちゃんはあの時に———」

状況をいまいち掴み切れないまどかに蒼井明奈は手を差し伸べた。

「今は説明をしている時間がありません。一刻も早くまどかさんには目を覚ましてもらわないと」

まどかを立たせ、自分から離れるように指示すると、明奈は更紗を睨み付けた。

「なんなのぉ?アナタァ?死んだはずでしょぉ?」

「私はまどかさんの記憶に埋め込まれた、言わば防衛プログラム。あなたのような侵入者を排除するためのね」

「記憶……。叶ゆかりの仕業ねぇ。まぁいいわぁ……一緒にアナタも———」

明奈が大鎌を構え、光の無い目で更紗を睨み付けていた。

その目と自身の目が合った瞬間、背筋が凍るような感覚を覚えた。

(な、なに?この子?本当にあの身体の弱い小娘なの?あの目、まるで……まるで!!)

更紗は咄嗟に明奈とは反対方向に飛んだ。

だが距離をあけたはずが、一瞬のうちに明奈に間合いを詰められていた。

「!!!」

明奈の冷たい視線が、真っ直ぐ更紗の目を見ていた。

(まるで殺人者の目じゃない!!慈悲の一つも無い、感情なき殺人者———)

更紗の思考はそこで停止した。

明奈の大鎌によって首を刎ねられたのだ。

更紗の首と胴体は地面につくよりも早く粒子となって消えた。

「まどかさん」

輝きの灯った瞳で、明奈はまどかに微笑みかけた。

「きっと近いうちにまた会うと思います。だから今は何も聞かずに、少しでも早くお兄ちゃんたちの所に帰ってあげてください」

「あ、明奈ちゃん!!」

まどかの視界がグラグラと霞む。

霞む視界の先で明奈が手を振っていた。

そしてどうしようも我慢できないほどの眠気が襲い、まどかは気を失った。