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Re: 第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第一話 ( No.568 )
日時: 2013/08/12 10:43
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■第一話①

九条更紗の事件から2日が経った。

あのあと、更紗に囚われていた巴マミと呉キリカは無事に元に戻ることが出来た。

さやかは、世間的には行方不明ということで扱われ、消えていってしまうのだろう。

結界の中で死んでしまったことで、肉体は残らず、かといって魔女が原因だなんて一般の人に言うことなど出来ない。

誰かに聞かれたとしても、知らないと言う事しか出来ないのだ。

杏子は身寄りが居なかったため、そういった問題は無かったが、千歳ゆまの悲しみようは見るに耐えなかった。

杏子はゆまにとって家族同然だった。

その失望は計り知れないだろう。

今回の事件は失うものが大きすぎた。

魔法少女仲間だけではなく、普通に暮らす人々にも悲しみをもたらしてしまったのだから。

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「なんでっ!!なんで死なせちゃうのよっ!!」

綾女千里にそう掴みかかられたのは事件直後のことだ。

ソウルジェムを破壊され、動かなくなった蒼井彰を自宅に連れ帰った。

千里は彰にしがみついて大声で泣いていた。

側にいた樽咲双樹は、泣きはしなかったが唇を噛み締めて沈痛な面持ちで千里の姿を見ていた。

(何が良かったのかな)

鹿目まどかは千里と双樹の様子を見ながら、そう思った。

(最悪の事態は避けられたのかもしれない。でも何も良い事なんてなかった……。たくさんの悲しみが生まれただけだった)

何も出来なかったこと、自分のせいでたくさんの人が悲しんでいること。

まどかは胸が締め付けられる思いだった。