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Re: 第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第二話 ( No.573 )
日時: 2013/10/21 09:46
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■第二話③

まどか、彰、ゆかりの三人はテーブルを囲むように座った。

彰の前には先ほどのコーヒー。

そしてまどかの前にはココアが置かれていた。

「あともう一人が来るのだけど、彰くんのさっきの問いにはその人に答えてもらいましょう」

ゆかりは二人を交互に見てから、感嘆のため息をついた。

「凄いわ。偶然を通り越して運命と言っても過言ではないわね」

ゆかりの言葉の意味が汲み取れず、彰とまどかはお互い顔を合わせて首を傾げた。

「ふふ。ワタシの考えている通りに事が運んだなら、ここに来るのは鹿目さんだけのはずだったのよ」

「私だけ?」

「あの手紙は鹿目さんの記憶にだけしか作用しない魔法がかけられていた。その手紙は誰からかの手によって、最終的に鹿目さんに渡るようになっていた。そして偶然か、運命か、その『誰か』が彰くんだった」

直接ではないが、彰のもとに届けられていた手紙をまどかが目にした。

彰が死に追いやられなければ、この手紙を彰の家でまどかが見つけることは無かっただろう。

「ゆかりさん、あなたの言い方だと、いずれは俺もここに来る予定だったと聞こえますけど……」

「ええ、その通り……というか、真実を知った鹿目さんにアナタを導いてもらうはずだったの」

「真実?」

ゆかりは頷くと、煎餅を一枚手に取った。

「アナタたち、ワルプルギスの夜と戦ったわよね?2日前に」

まどかと彰は声に出さず、頷きだけで答えた。

「鹿目さん、アナタはきっとこう思ったわよね?『倒したはずなのに』って」

「ゆかりさん!何か知っているんですか?」

ずっと疑問に思っていた。

皆で倒したはずのワルプルギスの夜が再び姿を現したことに。

「これから話すことは真実よ。信じられないかもしれないけど、しっかりと向き合って欲しい」

ゆかりは二人を見つめた。

二人は包帯越しでも、真剣な眼差しをゆかりが向けているであろう事を充分に感じ取れた。