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■第三話①

ゆかりは手に持った煎餅を二つに割った。

「これからする話は鹿目さん、アナタにとってとても大事なことよ。二つの世界の運命を左右するね」

ゆかりは、耳を疑うようなことを二人に話した。

別の次元、パラレルワールドのまどかが、自身が叶えた願いによって概念と化し、女神となった。

女神がもたらした希望と同等の絶望が生まれ、それが『無慈悲なる悪魔』となった。

女神と無慈悲なる悪魔は戦い続けたが、表裏一体の関係にある二者の力は拮抗し、決着はつかなかった。

それに業を煮やした無慈悲なる悪魔は、改変される運命だったあるパラレルワールドを自身の手中に収め、女神がかつて臨んだ世界を作り上げた。

自分が望んだ幸せな世界に魅入られた時、それが女神の油断となって、女神は無慈悲なる悪魔に概念世界の奥の奥に閉じ込められてしまう。

女神の干渉が無くなり、邪魔者が居なくなったのを見計らい、無慈悲なる悪魔は自身が収めた世界のまどかを再び魔法少女にさせ、その力を奪うことで拮抗したこの状況を崩し、女神を倒そうと目論んだ。