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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第三話 ( No.576 )
- 日時: 2013/11/09 13:25
- 名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)
■第三話③
「その無慈悲なる悪魔っていうのが、何をしようとしているかはわかりました。でも……それだけの力を持つ存在なら、わざわざこんな面倒なことしなくても良かったんじゃないですか?」
彰の疑問に、ゆかりは笑みを浮かべた。
「確かにその通りかもしれないわね。無慈悲なる悪魔が行った行為によって、もう一つの改変が起きた」
「もう一つの、改変?」
「女神が行った願いによる改変は、過去、未来、ありとあらゆるパラレルワールドに及んだ。それがその世界線の理となった。でも無慈悲なる悪魔によって改変から漏れてしまったこの世界は、女神の改変が及ばないまったく別の世界線に移動してしまった。言うなら、このもう一つの改変こそが、無慈悲なる悪魔がしたかったことなのよ」
「まどかちゃんの力を奪うこと以上にしたかったこと……?でもどうして……?」
女神を倒すことが一番の目的なのは間違いない。
しかしその目的への近道を捨て、あえて遠回りしたというのだ。
それはなぜなのか———。
「それはね、無慈悲なる悪魔が私の存在を恐れたからなんだよ」
「!!」
ここに居る三人とはまったく別の、しかし彰にとってはよく知った、もう聞くことは無いと思っていた声が扉のほうからした。
「お、お前……」
彰は椅子から立ち上がり、まるで信じられないという表情で扉の前に立つ少女を見た。
「久しぶりだね、お兄ちゃん」
少女———蒼井明奈はそう微笑んだ。
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