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Re: 第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第四話 ( No.577 )
日時: 2013/11/22 10:50
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■第四話①

これは夢なのか。

実際、今自分が置かれているこの状況も夢のようなものだ。

何が起きてもおかしくは無い。

とは言え、少々冗談が過ぎる。

「本当に……本当に明奈、なのか?」

彰はゆっくりと近づいて、明奈の頬に触れた。

温かかった。

生命ある者が帯びる温かみだった。

「前にも一度会ったよね。きっとお兄ちゃんは覚えてないだろうけど……」

そう言いながら、少しもの悲しげな表情を浮かべた。

「ごめんね。私は、お兄ちゃんの知ってる明奈じゃないんだよ」

「どういう、ことなんだ?」

「詳しいことはこれから話すね」

明奈は空いていた席に腰をおろした。

彰も意味深な明奈の言葉に表情を曇らせながら、元の席に座った。

「無慈悲なる悪魔が私を恐れた理由。それは私の魔法が、無慈悲なる悪魔を倒しえる可能性があったからなんだ」

明奈はゆかりにアイコンタクトした。

ゆかりは頷きでそれに答えると、テーブルの上に一冊の本を取り出した。