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Re: 第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第六話 ( No.581 )
日時: 2013/12/13 10:11
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■第六話①

それは普通の人なら目を背けたくなるような光景だった。

一糸まとわぬ姿で、まるで飽きられた人形のように放心状態の明奈が倒れていた。

体中アザだらけで、顔の右半分は腫れ上がり、さらには吐き出された男の欲望が身体を汚していた。

明奈の頬には涙のあとが残っていた。

痛いからではない。

ろくでなしが連れて来たろくでもない男の子供を孕んでしまったかも———そういう恐怖でもない。

悔しかった。

目標が、チャンスが、生きる希望が奪われてしまった。

母親が連れて来た男は、ちょっとした好奇心か、暇を持て余したのか、部屋の中を物色し始めた。

明奈はやめて欲しいと言ったが、殴り飛ばされてしまった。

物色の結果、男はお金の入った封筒を見つけてしまった。

明奈が母親に強制された『行為』の見返りとして貰っていたお金、それを貯めたもの。

明奈は必死に抵抗して取り返そうとした。

しかし男と、お金の存在をしった母親が明奈の抵抗を暴力で止め、結果すべてを奪われた。

その後、男にあらん限りの陵辱を加えられ、今こうして放心していた。

「……」

唯一信じられるものはお金だと思っていた。

だがそれすらも自分を見放す。

最早死んで呪い殺すしかないのだろうか。

いや、それでは母親を消し去ることしか出来ない。

明奈がしたいのは世界の破壊、神様への復讐なのだ。

「力……世界に壊せる力が欲しい……」

明奈は天井に向けて手を伸ばした。

死神だろうと悪魔だろうと、宇宙人だって良い。

この手をとって力をくれないか。